シェーグレン症候群

Sjögren’s syndrome

　シェーグレン症候群（SS）は，唾液腺や涙腺などの外分泌腺を標的臓器とする臓器特異的自己免疫疾患である．腺組織では細胞浸潤が認められ，唾液・涙液などの分泌低下により，眼や口腔の乾燥症状を呈する．また，同時に種々の自己抗体産生と肺・肝・腎などに多彩な臓器病変（いわゆる腺外症状）を併発しうる全身性自己免疫疾患でもある．本稿では，多彩な症状で診察する機会が多い本疾患の疫学や臨床的特徴を概説し，鑑別診断やガイドライン，また新治療の試みなどについての現状をまとめる．