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第1土曜特集 膠原病のすべて
膠原病各疾患の診断と治療の進歩
血管炎の革新的進展
-――診断と治療の最先端
Innovative advancements in vasculitis
――Cutting-edge diagnostics and treatments
門場 啓一郎
1
,
吉藤 元
1
Keiichiro KADOBA
1
,
Hajime YOSHIFUJI
1
1京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学
キーワード:
MRI
,
PET-CT
,
超音波検査
,
分子標的治療
Keyword:
MRI
,
PET-CT
,
超音波検査
,
分子標的治療
pp.425-432
発行日 2024年2月3日
Published Date 2024/2/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28805425
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2022年に血管炎症候群の分類基準が相次いで発表された.大型血管炎(LVV)の分類基準は,超音波検査,MRI,PET-CTといった最新の画像診断技術が盛り込まれ,これらの適切な運用が診療に不可欠であることを反映している.抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の分類基準は非常に簡潔で,疾患の典型像を理解しやすい内容となっているが,実臨床では悪性腫瘍などの鑑別のために病理診断は引き続き重要である.治療においても各国の推奨が次々と更新されており,著しい進歩を反映している.特にLVVに対するトシリズマブ(抗IL-6受容体抗体),顕微鏡的多発血管炎(MPA)と多発血管炎性肉芽腫症(GPA)に対するリツキシマブ(抗CD20抗体)とアバコパン(C5a受容体拮抗薬),好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)に対するメポリズマブ(抗IL-5抗体)が広く使用されるようになり,他の膠原病に先立ち分子標的治療全盛の時代を迎えている.血管炎症候群は最新の治療診断技術の恩恵を最も享受している膠原病であり,それらの適切な運用が求められる.
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