膠原病治療における新規治療法の開発

Development of novel therapies in the treatment of collagen diseases

　膠原病は自己免疫異常に起因する全身性炎症性疾患であり，しばしば難治性の病態を呈する．グルココルチコイド，免疫抑制薬などの非特異的治療からの脱却を目指した分子標的薬が登場し，治療成績は格段に向上した．しかし，いまだ根本的な治療法は存在せず，治癒や予防を目指した戦略は確立していない．近年の創薬技術の進歩により，新たな医薬モダリティが開発されつつある．なかでも，キメラ抗原受容体を遺伝子導入した細胞治療，間葉系幹細胞を用いた再生医療，核酸医薬や遺伝子治療薬を含むさまざまな中分子医薬，既存の低分子・高分子医薬の洗練化など，日進月歩で多くの新しい治療法の開発が進んでいる．本稿では，膠原病に対する新たな治療法の開発状況を概説する．