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第1土曜特集 膠原病のすべて
膠原病の治療の進歩
膠原病治療における分子標的療法の進歩
Progress in molecular-targeted therapies in systemic autoimmune diseases
保田 晋助
1
Shinsuke YASUDA
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科学分野
キーワード:
腫瘍壊死因子(TNF)-α
,
インターロイキン(IL)-6
,
CTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4)
,
JAK(Janus kinase)
,
BLyS
,
Ⅰ型インターフェロン(IFN)
Keyword:
腫瘍壊死因子(TNF)-α
,
インターロイキン(IL)-6
,
CTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4)
,
JAK(Janus kinase)
,
BLyS
,
Ⅰ型インターフェロン(IFN)
pp.387-392
発行日 2024年2月3日
Published Date 2024/2/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28805387
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膠原病は,免疫異常をベースとして発症する全身性自己免疫疾患である.これまで治療の多くの部分を副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬などの非特異的免疫抑制治療に頼ってきたため,感染症やステロイドに伴う合併症などが患者予後を悪化させる状態が続いてきた.しかし,関節リウマチ(RA)に対しては,抗TNF(腫瘍壊死因子)-α抗体を皮切りに次々と分子標的薬が開発され,劇的な治療効果をあげてきたことで,多くの患者では関節破壊が抑制され,生命予後さえも改善した.一方,全身性エリテマトーデス(SLE)においては,多くの分子標的療法が試みられたが臨床試験としては次々に失敗し,ようやく一部の抗体製剤が使用可能となり,近年では低分子化合物の開発も進んでいる.血管炎症候群においては,ドラッグリポジショニングも含めて比較的順調に分子標的薬が承認されている.本稿では,わが国における膠原病に対する分子標的療法の進歩について,また今後の展望について概説したい.
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