Japanese
English
第1土曜特集 膠原病のすべて
膠原病の概念と疫学
-――膠原病の概念の変遷と現在の疫学データ
Changes in the concept of collagen disease and current epidemiological data
森信 暁雄
1
Akio MORINOBU
1
1京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学
キーワード:
膠原病
,
自己免疫疾患
,
リウマチ性疾患
,
疫学
Keyword:
膠原病
,
自己免疫疾患
,
リウマチ性疾患
,
疫学
pp.338-343
発行日 2024年2月3日
Published Date 2024/2/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28805338
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
膠原病の名称は,1942年にKlempererが提唱した “collagen disease” による.膠原線維のフィブリノイド変性がみられることを特徴とする疾患群を提唱し,リウマチ熱,全身性エリテマトーデス(SLE),全身性強皮症(SSc),関節リウマチ(RA),結節性多発血管炎(PAN),多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)の6つが古典的膠原病とされている.同時期に自己免疫疾患の概念が提唱され,膠原病は自己免疫疾患の側面も持つことが明らかとなった.症状からはリウマチ性疾患の顔を持ち,多くの疾患が膠原病または膠原病類縁疾患として認識されるようになった.近年では,遺伝性疾患を中心に自己炎症症候群という新たな疾患概念が提唱されている.また,近年の生物学的製剤の臨床的効果は,膠原病,消化管疾患,皮膚疾患などの臓器別の枠を超え,サイトカインを中心とした病態により炎症性疾患の枠組みを再評価しようとする試みもある.本稿の最後ではわが国の膠原病の疫学について,特定医療費(指定難病)受給者証所持者数から考察する.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.