特集 透析医療のgender diversity
4.透析患者の寿命と死因の性差
稲熊 大城
1
1藤田医科大学ばんたね病院内科学講座
キーワード:
性差
,
透析
,
生命予後
,
心血管疾患
Keyword:
性差
,
透析
,
生命予後
,
心血管疾患
pp.1270-1274
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002296
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透析患者を含む慢性腎臓病患者数は男性が多い.生命予後に関しては,一般住民においては女性のほうが良好とされるが,透析患者においては性差を認めないとする報告が多い.その明確な理由についてはまだわかっていないが,心血管疾患発症が鍵を握っている可能性が高い.高齢透析患者において,心血管疾患発症のリスクに性差を認めないとする報告がある.一般的に女性ではエストロゲンなどの抗動脈硬化因子により.心血管疾患のリスクが男性より低い.しかしながら,末期腎不全に至る課程で,高齢化ならびにベースにある糖尿病ならびに高血圧により,男性同様,動脈硬化が進行していることが考えられる.
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