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第1土曜特集 自然リンパ球の生理と病理
はじめに
Introduction
茂呂 和世
1
Kazuyo MORO
1
1大阪大学大学院医学系研究科感染症・免疫学講座生体防御学
pp.1-1
発行日 2024年1月6日
Published Date 2024/1/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288011
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- Abstract 文献概要
1型自然リンパ球(ILC1),2型自然リンパ球(ILC2),3型自然リンパ球(ILC3)の3つのサブセットがそれぞれ独自に同定・研究され,最終的に自然リンパ球(innate lymphoid cell:ILC)という分野が創出されてから10余年が経過した.シングルセルRNAシークエンス解析が普及したことで,新規細胞の同定は極めて容易になり,知識さえあればパブリックデータをダウンロードするだけで,いつでもだれでも新規細胞をみつけられるようになった.そういった意味で,各ILCの同定は多くの免疫学者の違和感と情熱から時をかけて生み出された,最後の免疫細胞サブセットとなるであろう.ILCは抗原を直接認識しない細胞と定義される.ナチュラルキラー(NK)T細胞やMAIT(mucosal associated invariant T)細胞,γδ細胞を含めてILCと広義に分類されることもあるが,本特集では抗原をまったく認識しないILC1,ILC2,ILC3に焦点を当てることにした.
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