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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
画像・AI
タウPET
Tau PET
樋口 真人
1
Makoto HIGUCHI
1
1量子科学技術研究開発機構量子医科学研究所脳機能イメージング研究部
キーワード:
ポジトロン断層撮影(PET)
,
タウアイソフォーム
,
クライオ電子顕微鏡
Keyword:
ポジトロン断層撮影(PET)
,
タウアイソフォーム
,
クライオ電子顕微鏡
pp.958-964
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28713958
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アミロイドβ(Aβ)病変のポジトロン断層撮影(PET)プローブに続いて,病的なタウタンパク質凝集体を画像化するPETプローブが開発され,改良も進んでいる.これらのプローブはアルツハイマー病(AD)およびその他のタウ疾患の診断や鑑別において有用である.疾患ごとに特徴的なタウ線維の超微細構造がクライオ電子顕微鏡により明らかにされ,それらの構造に対するプローブの結合様式も解明されつつあるため,高い感度と特異性を持つプローブの設計が進展すると見込まれる.タウPETはADにおいて診断の特異性向上やサブタイプ分類,重要度の客観的評価に役立ちうる.現在,アミロイドPETと同様に,タウPETも診断薬として承認済み,あるいは臨床試験中である.また,タウPETはAβを標的とする疾患治療薬の評価や活用においても有用であり,タウ沈着量に基づいて治療効果が見込まれる患者を選択可能である.さらに,タウPETはタウ病態そのものを標的とする治療薬の臨床試験において,作用機序の証明やアウトカム評価で中心的な役割を発揮することが期待されている.
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