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特集 クライオ電顕が解き明かす神経変性疾患のメカニズム
構造をもとにしたタウPETプローブ開発
Analysis of tau PET probe binding sites
佐原 成彦
1
,
山口 芳樹
2
,
樋口 真人
1
Naruhiko SAHARA
1
,
Yoshiki YAMAGUCHI
2
,
Makoto HIGUCHI
1
1量子科学技術研究開発機構量子医科学研究所脳機能イメージング研究部
2東北医科薬科大学薬学部糖鎖構造生物学
キーワード:
タウオパチー
,
タウPETイメージング
,
ドッキングシミュレーション
Keyword:
タウオパチー
,
タウPETイメージング
,
ドッキングシミュレーション
pp.1144-1149
発行日 2022年12月24日
Published Date 2022/12/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283131144
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多くの神経変性疾患に共通した神経病理学的特徴を持つタウオパチーが存在することは周知のとおりである.タウオパチーでは,生理的機能から逸脱したタウタンパク質が神経細胞やグリア細胞の中で凝集・沈着している.クライオ電顕技術の進展により,タウタンパク質凝集体のコア構造が同定された.一方で,近年の生体イメージング技術の急速な進歩により,タウタンパク質凝集体を生体で検出できるPETイメージングプローブが開発されてきた.タウオパチーは臨床症状,神経病理学的所見,死後脳生化学的特徴が不均一であることが知られており,タウPETイメージングはタウ以外のプロテイノパチーとの鑑別だけでなく,タウオパチー内での鑑別が求められている.本稿では,ドッキングシミュレーション(docking simulation)を用いたタウタンパク質凝集体のコア構造に対するPETプローブ結合部位の解析に関する研究を紹介しつつ,凝集体コア構造を用いたPETプローブのバーチャルスクリーニングの可能性について議論する.
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