認知症1,000万人時代を目前に控えて-最新の診断,マネジメント,そして分子標的治療へ 認知症医療のブレイクスルー
新しい診断法 タウPET
島田 斉
1
1量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部脳疾患トランスレーショナル研究チーム
キーワード:
Alzheimer病
,
Tau Proteins
,
新薬開発
,
陽電子放射型断層撮影
,
分子イメージング
,
11C-PBB3
Keyword:
Alzheimer Disease
,
tau Proteins
,
Positron-Emission Tomography
,
Drug Discovery
,
Molecular Imaging
pp.187-191
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017338848
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近年実用的な技術が開発されたタウPETは,多くの変性性認知症の脳内に認められるタウ病変を生体内で可視化する画像検査である.すでに複数のタウPET用薬剤が研究利用されており,検査の感度・特異度・汎用性を高めるための新たな薬剤開発も進んでいる.脳内タウ病変は神経障害に密接に関与していることが示されつつあり,タウPETは客観的な重症度評価の指標として,さらに認知症の進行抑制を目的とした新規認知症治療薬開発における薬効評価の指標として,重要な役割を担うものと期待されている.近未来の認知症診療において,タウPETは認知症の早期鑑別診断に寄与するのみならず,認知症進行抑制薬使用におけるコンパニオン診断薬としての役割が期待される.
©Nankodo Co., Ltd., 2017