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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
基礎
タウオパチーの構造生化学的な疾患分類
Structural and biochemical classification of tauopathies
樽谷 愛理
1
,
長谷川 成人
1
Airi TARUTANI
1
,
Masato HASEGAWA
1
1公益財団法人東京都医学総合研究所脳・神経科学研究分野認知症プロジェクト
キーワード:
タウオパチー
,
タウ線維
,
構造多型
,
疾患分類
Keyword:
タウオパチー
,
タウ線維
,
構造多型
,
疾患分類
pp.903-908
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28713903
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アルツハイマー病(AD)やピック病(PiD),進行性核上性麻痺(PSP)をはじめとするタウオパチーは,神経細胞やグリア細胞内におけるタウ線維の蓄積およびその脳内拡大を特徴とする.タウオパチーの各疾患は,蓄積するタウのアイソフォームや病理形態により神経病理学的に診断される.さらにタウオパチー脳に蓄積するタウ線維の包括的な構造生化学的解析が行われ,現在ではタウオパチーが構造生化学的に分類可能であることが示されている.同一疾患由来のタウ線維は共通の構造生化学的性質を示し,これはタウオパチーにおけるタウ構造多型(株)の存在を支持する.またこれらの性質はタウ病態を模倣する実験モデルにおいて引き継がれ,タウ線維の構造そのものがタウオパチー病理の多様性に寄与することを示唆する.本稿では,タウオパチー脳から抽出したタウ線維の構造生化学的特徴,およびそれらを基にした疾患分類について総括する.
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