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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
社会医学・政策
認知症の人に対する生活支援
Livelihood Support for people with dementia
木下 彩栄
1
Ayae KINOSHITA
1
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
キーワード:
生活障害
,
介護保険制度
,
初期集中支援チーム
,
IADL
,
家電製品
Keyword:
生活障害
,
介護保険制度
,
初期集中支援チーム
,
IADL
,
家電製品
pp.1115-1119
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu287131115
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2023年6月に成立した「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は,認知症の人が尊厳を保持しつつ,希望を持って暮らすことができる社会にすることを基本理念としている.アルツハイマー病(AD)をはじめとする認知症は暮らしが障害される病であり,たとえ疾患修飾療法が承認されたとしても,治療薬の処方だけで解決するものではない.現在は,こうした暮らしを支える公的制度として介護保険制度があるが,それ以外にも,認知症のファーストタッチとしての初期集中支援チームなども整備されている.さらに,昨今解明されてきたように,認知症の症状発症の相当以前より脳内の病変は進行しているため,一般人に向けた “将来の認知症発症を可能なかぎり予防する” ための生活指導も重要になる.つまり,生活の支援という点からは,認知症は一生涯にわたり留意すべき病態である.本稿では,発症前から意識すべき認知症にかかりにくい生活習慣についての話題と,認知症当事者が住みよい世界を構築するためにはどうしたらよいかという2つの話題について取り上げる.
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