Japanese
English
特集 脳外傷の障害評価
生活障害の評価
Evaluation of activity limitations and participation restrictions in traumatic brain injuries.
生方 克之
1
,
大橋 正洋
2
Katsuyuki Ubukata
1
,
Masahiro Ohashi
2
1神奈川リハビリテーション病院相談科
2神奈川リハビリテーション科
1Kanagawa Rehabilitation Center
2Kanagawa Rehabilitation Center
キーワード:
生活障害
,
ICF
,
生活のしづらさ
,
実行状況
,
評価
Keyword:
生活障害
,
ICF
,
生活のしづらさ
,
実行状況
,
評価
pp.121-127
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100745
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はじめに
現代はさまざまな分野において生活重視の時代と言われる.医療・福祉分野では,消費者(サービス利用の主体者)という言葉と相まって,サービス利用者を「生活」の観点からどのように捉えるかが重要なテーマになっている.
生活という冠をつけた「生活障害」とは何かを中心に,脳外傷者の生活障害の評価について国際生活機能分類(以下,ICF)の概念1,2)を基に考察を行い,生活障害評価法の開発の必要性についても触れたい.生活障害という概念は,脳外傷の代名詞のようになり,社会生活に大きな支障を及ぼす高次脳機能障害を捉えるうえで有用な概念になる可能性がある.
本論では,広義の生活障害を「ICFの概念に基づいた生活機能(心身機能と活動・参加)と背景因子との相互作用により発現した生活機能の諸制限を示す概念」とし,狭義の生活障害を「主に活動の実行状況がその地域・文化的条件や性別年齢などの標準的状況と比較して制限されている特定の個人の状態」とする.本論では主に狭義の意味での生活障害を取り上げ,単に生活障害という場合には狭義を指すこととする. なお,本論の脳外傷とは,ICFの心身機能のカテゴリーに含まれる個別的精神機能である注意・記憶・情動・思考・高次認知機能1)などの高次脳機能障害を指す言葉として使用する.
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