特集 拡大するリハビリテーション医療
【事例】
認知症とリハビリテーション
平井 基陽
1
,
金屋 裕美子
2
1医療法人鴻池会 秋津鴻池病院
2医療法人鴻池会 秋津鴻池病院 臨床心理室
キーワード:
認知症のリハ
,
もの忘れ防止教室
,
早期認知症
,
認知症短期集中リハ
,
介護保険制度
Keyword:
認知症のリハ
,
もの忘れ防止教室
,
早期認知症
,
認知症短期集中リハ
,
介護保険制度
pp.881-884
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101821
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認知症の原因となる病気の多くは,進行性慢性疾患である.そのため,病気の進行の程度と随伴する周辺症状(認知症の行動および心理症状:BPSD)の有無および治療を要する身体合併症の状態により,様々な医療・介護ニーズが生じる.一方,認知症の中核症状を構成する高次脳機能障害に対しては,従来からいわゆる認知リハビリテーションが実施されてきた.一般的には,高次脳機能障害は脳外傷や脳卒中などの脳血管性障害によって生じる急性発症の症状群を指し,リハビリテーションにより機能回復が可能なものと受け止められている.そして,認知症に対しても,これらの手法が,認知症の非薬物療法として導入されてきた.
認知症のリハビリテーションという考え方が拡がりを見せ始めたきっかけは,1つには認知症治療薬としてアリセプト®が登場したこと,もう1つは介護保険制度の創設であった.介護保険制度開始後5年目の見直しに向け,2004年に「高齢者リハビリテーション研究会報告」で脳卒中モデル,廃用症候群モデルと並んで認知症モデルが提唱された.そして,老人保健施設でのモデル試行を受けて,2006年の介護報酬改定で「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」が創設されたのである.
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