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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
社会医学・政策
本人の立場から認知症の課題を考える
-――生活上の課題とサポートの重要性
The challenges of Alzheimer’s disease from the patient’s perspective
奈倉 道隆
1
Michitaka NAGURA
1
1東海学園大学名誉教授,老年科医師,介護福祉士
キーワード:
認知症
,
暮らしのしづらさ
,
生活上の課題
,
サポート
Keyword:
認知症
,
暮らしのしづらさ
,
生活上の課題
,
サポート
pp.1120-1121
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu287131120
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- Abstract 文献概要
認知症本人にとっては,暮らしのしづらさが第1の課題になる.暮らしの障害であるので医療による解決のみでなく,社会関係を含む生活問題に対応するソーシャルワーカーの協力を求めての解決が望まれる.13年前に筆者が軽度認知障害(MCI)と診断された時,専門医は「これからどんな生活をしたいですか」と尋ね,これから筆者が就任する大学院での教員生活へのサポートをしてくださり,3年間務めることができた.現在の暮らしは家族のサポートと地域の人たちとの交流,毎週1日の福祉施設でのボランティア活動,ウォーキングなどの身体活動を続けることで,通常の暮らしができている.目標があることが重要である.2023年に,認知症を持つ人と共生する「認知症基本法」が制定された.今後,早期受診を促すには “自分の健康に責任を持って相談にのってもらえるホームドクターを自分が選んで登録する制度” があってほしい.このような医療体制が充実すれば,認知症のような不安を伴う病気に対しても,安心して受診できる道が開かれよう.軽度認知障害はもとより,認知症の初期も,身体活動・栄養管理・人との活発な交流が進行を遅らせる.
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