Japanese
English
特集 回復期リハビリテーション医療を推進するチームアプローチ
退院支援
Discharge support
補永 薫
1,2
,
菅澤 昌史
2
,
髙木 朋子
2
Kaoru Honaga
1,2
,
Masashi Sugasawa
2
,
Tomoko Takagi
2
1順天堂大学大学院医学研究科リハビリテーション医学
2東京湾岸リハビリテーション病院
1Department of Rehabilitation Medicine, Juntendo University Graduate School of Medicine
2Tokyo Bay Rehabilitation Hospital
キーワード:
転帰先
,
多職種協働
,
家屋改修
,
介護保険制度
,
退院時担当者会議
Keyword:
転帰先
,
多職種協働
,
家屋改修
,
介護保険制度
,
退院時担当者会議
pp.485-493
発行日 2024年5月10日
Published Date 2024/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203110
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
退院支援とは,患者が自分の病気や障害を理解し,退院後も継続が必要な医療や看護を受けながら,「どこで療養をするのか」,「どのような生活を送るのか」を自己決定するための援助をすることである.そして,その自己決定を実現するために,「環境」,「人」,「物」を社会保障制度や社会資源につなげてマネジメントすることが退院調整となる.本稿では両者を包括したものを,広い意味での退院支援として捉えて扱っていく.
回復期リハビリテーション病棟に入院した患者は,その原因となった疾病・外傷に罹患する前の状態とは身体的にも精神的にも大きく変容している.その中でどのように退院先を決定し,どのように準備を行っていくかは,本人の意思のみならず,周囲の家族の考えや社会・経済的な状況,利用可能な制度などの多くの因子が絡む難しい課題である.リハビリテーション医療においてはこれらの状況を整理したうえで,あらゆる選択肢を本人・家族に提示し,その決定を実現するためのさまざまな手段を講じていく必要がある.ここでは回復期リハビリテーション病棟における退院支援で必要と思われる考え方,手順や制度,多職種協働の重要性を概説する.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.