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第1土曜特集 質量分析イメージング法を用いた創薬・医学研究――時空間マルチオミクスの力
神経免疫疾患のヒト脳プロテオーム解析
Human brain proteome analysis of neuroimmune diseases
池川 雅哉
1
,
韮澤 崇
2
,
近藤 誉之
3
Masaya IKEGAWA
1
,
Takashi NIRASAWA
2
,
Takayuki KONDO
3
1同志社大学生命医科学部医生命システム学科
2ブルカージャパンK.K.
3関西医科大学総合医療センター脳神経内科
キーワード:
多発性硬化症(MS)
,
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)
,
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)
,
normal appearing white matter(NAWM)
,
MALDI-IHC
Keyword:
多発性硬化症(MS)
,
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)
,
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)
,
normal appearing white matter(NAWM)
,
MALDI-IHC
pp.699-707
発行日 2023年12月2日
Published Date 2023/12/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28709699
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多発性硬化症(MS)は,中枢神経系(CNS)の炎症,脱髄,軸索変性などを主徴とする自己免疫疾患である.MSは,類縁疾患である視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)との鑑別診断や疾患修飾薬(DMD)による治療の選択肢は広がったものの,時間・空間多発的に進行するヒト神経病理についてはいまだ解明されていない部分も多い.今日,脳と免疫に関する新たな発見とともに,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脳への影響をはじめ,脳血管障害やアルツハイマー病(AD),筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患脳を対象とした空間マルチオミクス解析への期待は高まっている.本稿では,MSの動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスCNSの質量分析イメージング法(MSI)を用いた解析例を紹介する.また,プロテオームレベルのMSIと神経免疫組織化学の新しい潮流について紹介した.さらに,MSIとMRIなどのin vivo画像診断手段との統合の新たなイメージング戦略について,若干の考察を加えた.
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