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第1土曜特集 質量分析イメージング法を用いた創薬・医学研究――時空間マルチオミクスの力
虚血性脳卒中におけるプロテオミクスとアドレノメデュリンの役割
Role of proteomics and adrenomedullin in ischemic stroke
石山 浩之
1
,
猪原 匡史
1
Hiroyuki ISHIYAMA
1
,
Masafumi IHARA
1
1国立循環器病研究センター脳神経内科
キーワード:
虚血性脳卒中
,
脳梗塞
,
プロテオミクス
,
アドレノメデュリン(ADM)
Keyword:
虚血性脳卒中
,
脳梗塞
,
プロテオミクス
,
アドレノメデュリン(ADM)
pp.709-714
発行日 2023年12月2日
Published Date 2023/12/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28709709
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急性期再灌流療法の台頭により虚血性脳卒中の予後は劇的に改善したが,脳卒中はいまだに死亡や身体機能障害の主たる原因疾患であり,早期診断バイオマーカーや新規治療ターゲットの開発は喫緊の課題である.虚血性脳卒中には確立した診断バイオマーカーが存在せず,再灌流療法や抗血栓薬のように閉塞血管や血栓に対する治療が主体で,病態の主座である脳組織を標的とした治療は未確立である.近年の質量分析機器の進歩により,組織や血液中のタンパク質を網羅的に解析するハイスループット技術であるプロテオミクスが発展し,数多くの虚血性脳卒中に関連したタンパク質が同定された.なかでも,虚血に対し高い応答性を示すアドレノメデュリン(ADM)は,血管拡張および血管新生による神経保護作用を有し,虚血性脳卒中におけるペナンブラを反映することから,診断バイオマーカーのみならず,治療薬としても期待され研究が進められている.
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