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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
免疫疾患に迫る解析手法
免疫疾患におけるプロテオーム解析
Proteome analysis in autoimmune diseases
吉崎 歩
1
Ayumi YOSHIZAKI
1
1東京大学大学院医学系研究科・医学部皮膚科学
キーワード:
自己免疫疾患
,
自己抗体
,
自己抗原
,
プロテオーム解析
,
病態解明
Keyword:
自己免疫疾患
,
自己抗体
,
自己抗原
,
プロテオーム解析
,
病態解明
pp.706-709
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709706
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自己免疫疾患において,自己抗体の出現は最も大きな特徴のひとつである.日常臨床において,自己抗体の同定は診断の一助となり,病型の判断や予後予測にも役立つ.しかし,全身性自己免疫疾患に見出される多くの自己抗体は,核内を含めた細胞内タンパク質に対するものがほとんどであり,通常,抗体は細胞の内部には侵入しないため,生体内における自己抗体の病原性については議論が続けられている.自己抗体に病原性があると想定した場合,最もそれを理解しやすい病態仮説は,細胞内自己抗原とホモロジーを持つ細胞膜タンパク質あるいは分泌型タンパク質が存在しており,これに対して自己抗体が作用するというモデルである.しかし,これを明確に証明できた研究は存在しておらず,そこには技術的な困難が存在していた.本稿では,自己免疫疾患と自己抗体の関係について改めて考察し,近年開発された新しいプロテオーム解析技術を用いた,新しい自己免疫疾患の病態解明の可能性について概説した.
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