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特集 Onco-Cardiology――最新ガイドラインと今後の課題
心毒性のあるがん薬物療法
-――Evidenceとexperienceをいかした患者中心の管理を考える
Cancer chemotherapy with cardiotoxicity
――For the patient-centered management based on clinical evidence and experience
坂東 泰子
1
Yasuko BANDO
1
1三重大学大学院医学系研究科分子生理学
キーワード:
心毒性
,
ガイドライン
,
心不全
,
がんサバイバー
Keyword:
心毒性
,
ガイドライン
,
心不全
,
がんサバイバー
pp.582-587
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28708582
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がん細胞には,正常な心臓や血管の細胞と共通するメカニズムがあるため,がん治療やがんそのものが時に心血管病を引き起こし,同時に心血管病を併存する患者はがん罹患率が高い(reverse cardio-oncology)など双方向性の関係があることがわかってきた.なかでも,心毒性のあるがん薬物療法はそれ自体が心不全リスクに該当するため,既知の心毒性を有するがん薬物療法には患者側・医療者側双方への影響を配慮したうえで,心毒性の特徴,各施設の心臓評価モダリティの稼働状況に応じた管理が求められる.これら現状のニーズに応えるべく,2022年には欧州から,2023年にはわが国でもOnco-Cardiologyのガイドラインが上梓された.本稿では,これらガイドラインと実践的診療内容をどのように擦り合わせていくべきか,具体例をあげながら論じていく.
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