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今月の特集1 腫瘍循環器学を学ぶ
抗HER2療法による心筋障害
Cardiotoxicity induced by anti-HER2 therapy
能勢 拓
1
1神戸大学医学部附属病院腫瘍・血液内科
キーワード:
ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型
,
HER2
,
心毒性
,
がん治療関連心機能障害
,
CTRCD
,
トラスツズマブ
Keyword:
ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型
,
HER2
,
心毒性
,
がん治療関連心機能障害
,
CTRCD
,
トラスツズマブ
pp.704-711
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203023
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Point
●抗ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型(HER2)療法は,心筋細胞膜上に発現しているHER2からの下流シグナルを阻害することで心筋細胞死を促すとともに心筋修復を阻害し,心機能の低下を引き起こす.
●抗HER2療法による心筋障害は用量非依存性であり,無症候性の左室駆出率(LVEF)の低下であることが多い.発症しても休薬することで心機能の回復が期待でき,再投与も可能である.
●トラスツズマブはアントラサイクリン系抗がん薬と併用することで心毒性の発症頻度が上昇する.同時併用は心毒性のリスクが高く,現在行われていない.
●トラスツズマブ投与中はスクリーニングとして3カ月ごとのLVEF,GLSの評価と,サイクルごとにトロポニンIの測定を行う.
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