特集 β遮断薬 これまで集積されたノウハウと薬物治療の最前線
β遮断薬の日米欧ガイドラインにおける位置づけとエビデンス 抗がん薬による心毒性
大谷 規彰
1
,
筒井 裕之
1国立病院機構九州医療センター 循環器内科
キーワード:
Metoprolol
,
Adrenergic Beta-Antagonists
,
一回拍出量
,
抗酸化剤
,
抗腫瘍剤
,
腫瘍
,
心臓疾患
,
Anthracyclines
,
アポトーシス
,
診療ガイドライン
,
Carvedilol
,
Trastuzumab
,
心毒性
,
心筋保護剤
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Metoprolol
,
Trastuzumab
,
Heart Diseases
,
Adrenergic beta-Antagonists
,
Antioxidants
,
Anthracyclines
,
Apoptosis
,
Practice Guidelines as Topic
,
Carvedilol
,
Stroke Volume
,
Neoplasms
,
Cardiotoxicity
pp.2948-2953
発行日 2020年8月5日
Published Date 2020/8/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2020348684
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<Key Points>◎がんによる総死亡率は低下しているが、その生存率改善に寄与している抗がん薬治療の副作用としての心機能障害(cancer therapeutics-related cardiac dysfunction:CTRCD)が、抗がん薬治療継続を困難とさせ、予後の悪化に寄与しており、問題となっている。◎アントラサイクリンによるCTRCDに対し、β遮断薬は抗酸化作用や抗アポトーシス作用を示した数多くの基礎研究があり、心保護治療薬として期待される。◎CTRCDを発症した症例はβ遮断薬を中心とする心不全治療薬で治療することが推奨されている。◎CTRCDに対するβ遮断薬による予防投与を検討した臨床試験の結果から、CTRCDを起こしうる治療を受けるすべての症例でβ遮断薬の予防投与を行うかは議論の余地がある。◎CTRCD発症危険症例ではβ遮断薬の予防投与の有用性が期待される。
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