Japanese
English
特集 肺癌に対する薬物治療の最前線
Ⅳ期非小細胞肺癌におけるドライバー遺伝子変異陰性例での治療戦略
Treatment strategies for stage Ⅳ non-small cell lung cancer cases without genetic alterations
中西 健太郎
1
,
倉田 宝保
1
Kentaro NAKANISHI
1
,
Takayasu KURATA
1
1関西医科大学呼吸器腫瘍内科学講座
キーワード:
Ⅳ期非小細胞肺癌
,
ドライバー遺伝子変異陰性
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
PD-L1(programmed death-ligand 1)
Keyword:
Ⅳ期非小細胞肺癌
,
ドライバー遺伝子変異陰性
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
PD-L1(programmed death-ligand 1)
pp.507-510
発行日 2023年11月18日
Published Date 2023/11/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28707507
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅳ期非小細胞肺癌において,プラチナ製剤併用療法による治療が長年にわたり標準治療として使用されてきた.しかし近年,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の登場により,従来のプラチナ製剤併用療法との比較において多くの試験で優れた成績を示し,これらの薬剤がⅣ期非小細胞肺癌の標準的治療となっている.肺癌診療ガイドラインでは,Ⅳ期非小細胞肺癌における治療はまずドライバー遺伝子変異/転座の有無で大きく分けられており,ドライバー遺伝子変異/転座陽性例ではそれぞれに応じたチロシンキナーゼ阻害薬を選択し,Ⅳ期非小細胞肺癌ドライバー遺伝子変異/転座陰性例では,ICIを含んだレジメンを使用する.ICIはそのバイオマーカーであるprogrammed death-ligand 1(PD-L1)の発現割合によって治療方針を決定され,その発現割合ごとにICI単剤療法,複合免疫療法,ICI同士の併用療法などが選択されるようになっている.本稿ではICIの有効性,これまで実施された臨床試験の結果について紹介しつつ,これらの結果を考慮してⅣ期非小細胞肺癌におけるドライバー遺伝子変異陰性例での一次治療をどのようにすべきかについて説明する.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.