新しい局面を迎えた肺癌診療
《非小細胞肺癌の治療の実際》EGFR遺伝子変異からみた治療戦略
市川 靖子
1
,
関 順彦
1帝京大学 医学部内科学
キーワード:
Cisplatin
,
腫瘍多剤併用療法
,
Epidermal Growth Factor Receptor
,
変異
,
肺癌-非小細胞
,
erbB-1遺伝子
,
診療ガイドライン
,
第III相試験
,
治療成績
,
抗腫瘍剤耐性
,
Erlotinib
,
Gefitinib
,
Protein Kinase Inhibitors
Keyword:
Erlotinib Hydrochloride
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Carcinoma, Non-Small-Cell Lung
,
Cisplatin
,
Mutation
,
Receptor, Epidermal Growth Factor
,
Treatment Outcome
,
Practice Guidelines as Topic
,
Clinical Trials, Phase III as Topic
,
Genes, erbB-1
,
Drug Resistance, Neoplasm
,
Protein Kinase Inhibitors
,
Gefitinib
pp.717-723
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013010636
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・EGFR-TKIは、EGFR遺伝子変異陽性症例における一次治療の標準療法の一つである。・EGFR-TKIとプラチナ製剤併用療法は、どちらを先に使用するかではなく、両者を確実に使い切ることが重要である。・「肺癌診療ガイドライン」における2010年版から2012年版への1つ目の変更点として、診療樹形図の最初の分岐点に組織型が配置され、EGFR遺伝子変異検査の推奨は非扁平上皮癌に限定されるようになった。・2つ目の変更点として、一次治療のerlotinibがPS0-1かつ75歳未満の症例、またはPS2の症例に限定されるものの、ガイドラインで推奨されるようになった。・現在解明されているEGFR-TKI耐性機序は、主に標的部位の二次変異による耐性化と側副経路の活性化による耐性化の2通りである。・今後、獲得耐性機序の解明がさらに進むことにより、EGFR-TKIを用いたさまざまな治療選択肢の確立に期待がもてる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012