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第1土曜特集 老化を標的とした疾患予防・治療
総論
腎臓の老化
Kidney aging
武呂 幸治
1
,
山田 龍
1
,
柳田 素子
1,2
Koji MURO
1
,
Ryo YAMADA
1
,
Motoko YANAGITA
1,2
1京都大学大学院医学研究科腎臓内科学
2同ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)
キーワード:
AKI-to-CKD transition
,
細胞老化
,
三次リンパ組織(TLT)
Keyword:
AKI-to-CKD transition
,
細胞老化
,
三次リンパ組織(TLT)
pp.347-353
発行日 2023年11月4日
Published Date 2023/11/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28705347
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腎臓は絶えず大量の血液を濾過し,尿を生成する代謝の活発な臓器で,老化による影響を受けやすい.世界的に高齢化が進行するなか,慢性腎臓病(CKD)患者は増加しており,その病態の解明および新規治療法の開発に向けて,腎臓の老化について活発な研究がなされている.腎臓の老化は複合的な要因によると考えられ,その正確な把握には多面的な理解が不可欠であるが,なかでも細胞老化の関与は近年注目を集めている.おおむね細胞老化は傷害後の組織修復にとって有害であるという文脈での報告が多いが,急性期においては有益な側面もあると考えうる報告も一部存在し,今後の細胞老化を標的とした治療戦略の樹立に向けて考慮すべき点である.また,腎臓の老化の表現型のひとつとして,三次リンパ組織(TLT)の形成があげられる.その形成メカニズムや臨床経過との相関が徐々に明らかになりつつあり,治療標的およびバイオマーカーとして,今後の臨床的な応用が期待される.
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