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第1土曜特集 人生100年時代を見据えて がんと生活習慣病(心疾患/糖尿病/CKD/MAFLD)を再考する──共通リスク因子,予防・治療の最新アプローチ
生活習慣・食習慣とがん
身体活動量低下とがん発症の関連
Relationship between low physical activity and cancer development
門脇 聡
1
,
加賀 英義
1
,
田村 好史
1,2,3,4
Satoshi KADOWAKI
1
,
Hideyoshi KAGA
1
,
Yoshifumi TAMURA
1,2,3,4
1順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学
2同スポートロジーセンター
3同スポーツ医学・スポートロジー
4同国際教養学部グローバルヘルスサービス領域
キーワード:
身体活動低下
,
がん
,
糖尿病
,
インスリン抵抗性
Keyword:
身体活動低下
,
がん
,
糖尿病
,
インスリン抵抗性
pp.825-830
発行日 2023年9月2日
Published Date 2023/9/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28610825
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身体活動量低下は肥満や代謝異常を引き起こし,さまざまながんの発生や進行を促進させる可能性があると国内外の研究結果が多数報告されている.特に男性においては結腸がん,女性においては乳がんのリスクと関連している.原因としては,身体活動量低下による肥満や糖尿病によるインスリン抵抗性,IGF-1やエストロゲンなどの内分泌学的な変化や免疫機能の低下が生じることから,がん細胞が増殖しやすくなると考えられている.さらに身体活動量低下は消化器系の機能低下を引き起こす.たとえば,運動不足によって便秘が引き起こされると,腸内の有害物質が腸壁に長時間接触することになり,がんの発生リスクが高まる可能性がる.以上のことから,身体活動の低下はがんのリスクを増加させる要因となる.したがって,持続的に適度な運動を心がけることは,がんのリスクを減少させると考えられる.
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