Japanese
English
第1土曜特集 統合失調症の未来――研究と治療
トランスレーショナル研究
統合失調症の分子生物学・トランスレーショナル研究
Molecular biology and translational studies of schizophrenia
南学 正仁
1
,
南 拓人
1
,
池亀 天平
1
Masahito NANGAKU
1
,
Takuto MINAMI
1
,
Tempei IKEGAME
1
1東京大学大学院医学系研究科精神医学
キーワード:
統合失調症
,
common disease common variant仮説(CDCV仮説)
,
計算論的精神医学
,
エピジェネティッククロック
Keyword:
統合失調症
,
common disease common variant仮説(CDCV仮説)
,
計算論的精神医学
,
エピジェネティッククロック
pp.556-560
発行日 2023年8月5日
Published Date 2023/8/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28606556
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統合失調症は陽性症状(妄想や幻聴),陰性症状(感情の平板化や意欲の低下),認知機能障害(広範な認知機能の低下)といった多彩な症状を引き起こす精神疾患である.典型的には成人期早期に発症し,その後,慢性化する経過をたどるとされる.新規抗精神病薬の開発推進,治療ガイドラインの整備,早期診断・治療の普及により,精神科臨床の現場では症状の早期改善と長期的維持・安定を認める患者も少なくない.しかし,統合失調症の症状に関連する脳機能領域特有な神経基盤の理解には,分子・トランスレーショナル研究の知見をさらに深める必要がある.本稿では,統合失調症のcommon variant(CV)と脳遺伝子発現,計算論的精神医学,エピジェネティッククロックの観点より最新の統合失調症研究の所見を概説する.
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