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特集 わが国の若手による統合失調症研究最前線
iPS細胞を用いた統合失調症研究
Schizophrenia Resarch Using iPS Cell Technology
鳥塚 通弘
1
,
牧之段 学
1
Michihiro Toritsuka
1
,
Manabu Makinodan
1
1奈良県立医科大学医学部精神医学講座
1Department of Psychiatry, Nara Medical University School of Medicine, Nara, Japan
キーワード:
iPS細胞
,
induced pluripotent stem cell
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
病態生理
,
pathophysiology
,
創薬
,
drug discovery
Keyword:
iPS細胞
,
induced pluripotent stem cell
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
病態生理
,
pathophysiology
,
創薬
,
drug discovery
pp.411-415
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206888
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抄録
さまざまな研究手法を用いて統合失調症の研究がなされているが,未だその病因・病態は未解明である。困難を生み出している大きな要因の1つは,脳は生検が行えず,発病時や病勢の悪化時の細胞・組織病理が不明であることと考えられる。2006年に確立されたiPS細胞技術は,生きた患者由来の脳神経細胞を観察することを可能にし,この限界を打破する福音と期待された。実際に,統合失調症患者由来iPS細胞を用いた研究の初報から10年が過ぎ多数の研究報告が行われたが,統合失調症の病態解明や新規の治療法開発につながるブレイクスルーはまだ起きていない。本稿では,これまでのiPS細胞研究から見えてくる課題について整理し,今後の発展について論じる。
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