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第5土曜特集 生体イメージングの最前線――絶え間ない技術革新と生命医科学の新展開
イメージングで神経活動を解析する
広視野高速二光子励起顕微鏡FASHIO-2PMによる大脳皮質ネットワークのin vivoイメージング
Fast and wide-field two-photon microscope FASHIO-2PM for in vivo imaging of cortical networks
太田 桂輔
1
,
村山 正宜
2
Keisuke OTA
1
,
Masanori MURAYAMA
2
1東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻神経生化学分野
2理化学研究所脳神経科学研究センター触知覚生理学研究チーム
キーワード:
二光子励起顕微鏡
,
in vivoカルシウムイメージング
,
大脳皮質
,
大規模神経活動記録
,
機能的ネットワーク解析
Keyword:
二光子励起顕微鏡
,
in vivoカルシウムイメージング
,
大脳皮質
,
大規模神経活動記録
,
機能的ネットワーク解析
pp.351-358
発行日 2023年7月29日
Published Date 2023/7/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28605351
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脳は異なる役割を担う部位の集合体であり,脳領域間の相互作用により機能が発現すると考えられている.しかし,多領域から神経細胞の活動を計測できる顕微鏡は存在せず,広域ネットワークの機能的構造は不明であった.筆者らは,低倍率かつ高開口数を満たす大型対物レンズ,大口径・高感度・高出力光検出器を開発することで,広視野,高解像度,高速撮像,高感度,無収差を同時に満たす二光子励起顕微鏡 “FASHIO-2PM(fast-scanning high optical invariant two-photon microscopy)” を開発した.マウス大脳皮質2層に存在する16,000個以上の神経細胞の活動を,9mm2(従来の36倍)の単一視野面から7.5Hzの撮像速度で高感度に測定することに成功した.単一神経細胞の活動に基づくネットワークを解析したところ,脳はスケールフリーネットワークではなくスモールワールドネットワークの特性を有することが明らかになった.同時に長距離の機能的結合も含め100以上の細胞と協調的に活動する非常にレアなハブ細胞(存在確率は1%未満)の存在も明らかにした.
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