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第5土曜特集 生体イメージングの最前線――絶え間ない技術革新と生命医科学の新展開
イメージングで神経活動を解析する
イメージングを駆使したシナプス情報伝達の解明
Elucidating synaptic signal transduction using diverse imaging methods
柏木 有太郎
1
,
岡部 繁男
1
Yutaro KASHIWAGI
1
,
Shigeo OKABE
1
1東京大学大学院医学系研究科神経細胞生物学教室
キーワード:
シナプス
,
イメージング
,
神経疾患
,
ヒト患者由来神経細胞
Keyword:
シナプス
,
イメージング
,
神経疾患
,
ヒト患者由来神経細胞
pp.344-350
発行日 2023年7月29日
Published Date 2023/7/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28605344
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神経細胞はシナプスを介してネットワーク構造を形成する.膨大な数の神経細胞からなるネットワーク構造は脳の高次機能の発揮に必須である.では,シナプスはどのような研究手法で調べられるのであろうか.シナプスは1μm程度の小さな構造であるが,顕微鏡を用いて直接的に “見る” ことができる.多様な顕微鏡や標本作製技術の発展に伴い,イメージングによって細胞形態,シグナル分子の局在,動態,活性化状態が調べられ,シナプスでの情報伝達の分子機構が理解されてきた.近年のイメージング技術の革新により,シナプスの構造的・機能的な測定はさらに進歩している.たとえば,生きた動物の脳を顕微鏡で直接覗き込むin vivoイメージング技術は,行動する動物の脳内でのシナプスイメージングを可能にした.本稿では,シナプスをイメージングする技術を概説し,これらの新規技術を用いた神経疾患モデルの神経細胞でのシナプスイメージングの実例を紹介する.
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