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第5土曜特集 生体イメージングの最前線――絶え間ない技術革新と生命医科学の新展開
技術・機器の進歩
広視野二光子励起ライトシート顕微鏡による生物個体のライブイメージング
Live imaging of individual organisms using wide-field two-photon excitation light sheet microscope
齋藤 卓
1
,
高根沢 聡太
2
,
今村 健志
1
Takashi SAITOU
1
,
Sota TAKANEZAWA
2
,
Takeshi IMAMURA
1
1愛媛大学大学院医学系研究科分子病態医学講座
2株式会社ニコンソリューションズ
キーワード:
ライトシート顕微鏡
,
二光子励起
,
ベッセルビーム
,
ライブイメージング
,
小型魚類
Keyword:
ライトシート顕微鏡
,
二光子励起
,
ベッセルビーム
,
ライブイメージング
,
小型魚類
pp.318-323
発行日 2023年7月29日
Published Date 2023/7/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28605318
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広く,深く,長く生物を観察できる蛍光顕微鏡技術が近年大きく発展してきており,生きている動物個体の中で生体分子や細胞の動態および機能を解析することが可能となっている.ライトシート顕微鏡は,多細胞生物の三次元観察に適した顕微鏡として急速に進歩している顕微鏡であり,生物・医学分野での応用が進んでいる.このライトシート顕微鏡は照射系と検出系が分かれた蛍光顕微鏡システムで,蛍光検出用対物レンズの焦点面の側面からシート状の蛍光励起光を入射し,その光学切片をカメラで撮像する.このライトシートによる効率的な励起・計測によって観察対象に優しく,高速・高解像なイメージングが実現できる.さらに近赤外光を蛍光励起光源とする二光子励起現象の利用は,光毒性の低減および生体深部到達性の向上の観点から生体イメージングにより有用であるが,二光子励起範囲(ライトシート顕微鏡では “視野範囲”)の狭さがその応用の制限となっていた.今回,筆者らは二光子励起ビーム照射範囲を伸縮させる技術によって,①生体光毒性の低減,②視野範囲の向上,③細胞レベルの高分解能を同時に達成した二光子励起ライトシート顕微鏡を技術開発した1).
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