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特集 古代ゲノム学と医学の交差点
古代から現代へと受け継がれてきた生活習慣病遺伝子
Lifestyle-related disease genes inherited from ancient to modern times
中山 一大
1
,
夏 添
1
Kazuhiro NAKAYAMA
1
,
Tian XIA
1
1東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻人類進化システム分野
キーワード:
生活習慣病
,
環境適応
,
ゲノム多型
Keyword:
生活習慣病
,
環境適応
,
ゲノム多型
pp.259-263
発行日 2023年7月22日
Published Date 2023/7/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28604259
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肥満,高血圧症,脂質異常症,2型糖尿病といった生活習慣病の多くは多因子遺伝性疾患であり,その感受性の個人差には,運動や食事のような生活習慣の差異に加えて,一塩基多型に代表されるゲノム多型も寄与している.このような多型のなかには,古代のホモ・サピエンス集団はもちろんのこと,ネアンデルタール人やデニソワ人など数十万年前にホモ・サピエンスと分岐した後に絶滅したヒト属の種とも共有していたものがある.本稿では,生活習慣病に関連するゲノム多型のなかでも,現代人と古代人の間で共通して見出された例をいくつか紹介するとともに,近年活用が進むポリジェニックスコア解析によって,生活習慣病の遺伝的リスクが,古代から現代にかけてヒト集団のなかでどのように変容してきたのかを知る試みについて紹介する.
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