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第1土曜特集 ARDSの治療戦略――個別化診療への道筋
肺傷害のメカニズムと人工呼吸管理
【今後の診療ガイドラインに影響を及ぼす可能性のある呼吸生理学とエビデンス】
ARDSで生じる気道閉塞(airway closure)とは?
-――肺胞だけではなく気道を意識した管理の必要性
What is airway closure caused by ARDS?
中澤 太一
1
,
則末 泰博
1
Taichi NAKAZAWA
1
,
Yasuhiro NORISUE
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター救急集中治療科集中治療部門
キーワード:
気道開放閾値圧(AOP)
,
気道閉塞(airway closure)
,
呼気流量制限(EFL)
Keyword:
気道開放閾値圧(AOP)
,
気道閉塞(airway closure)
,
呼気流量制限(EFL)
pp.82-89
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2860182
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急性呼吸窮迫症候群(ARDS)における呼気終末陽圧(PEEP)の重要性はすでに広く認識されている1).特に病的に虚脱した肺胞により高いPEEPをかけることで,虚脱した肺胞をふたたび含気のある状態に戻す肺胞リクルートメントの効果が重要であり,臨床的には多くの場合に酸素化や肺のコンプライアンスが改善することが知られている.一方,近年ではARDSにおけるPEEPの肺胞への影響に加え,気道(特に遠位気道)への影響が注目されており,気道を意識した人工呼吸管理の重要性が認識されてきている2).本稿では,ARDS患者の人工呼吸管理において近年注目されている,気道開放閾値圧(AOP),気道閉塞(airway closure),呼気流量制限(EFL)について,それらの臨床的意義とPEEPによる影響を生理学的,解剖学的視点から解説する.
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