Japanese
English
TOPICS 細菌学・ウイルス学
トリプシン分解腸内細菌の発見
Identification of trypsin-degrading commensals in the large intestine
渡辺 栄一郎
1,2,3,4,5
,
川島 祐介
6
,
李 優先
4,5,7
Eiichiro WATANABE
1,2,3,4,5
,
Yusuke KAWASHIMA
6
,
Youxian LI
4,5,7
1群馬県立小児医療センター外科
2群馬県衛生環境研究所
3東京大学医学部小児外科
4理化学研究所生命医科学研究センター消化管恒常性研究チーム
5慶應義塾大学医学部 微生物学・免疫学教室
6かずさDNA研究所ゲノム事業推進部 臨床オミクスユニット
7Department of Cancer Immunology,Institute for Cancer Research,University of Oslo
pp.1079-1081
発行日 2023年6月17日
Published Date 2023/6/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu285121079
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糞便プロテオーム解析を用いたマウス盲腸内溶液の網羅的タンパク解析
膵臓から分泌される消化管酵素のトリプシンは,小腸での栄養吸収に重要な役割を担う強力なタンパク分解酵素である.一方で,小腸での役割を終えたトリプシンが生体にどのような影響を与えるかは知られていなかった.本研究は消化酵素の制御における腸内細菌の役割を解明することを目指して行われた.はじめに腸内細菌が消化管内溶液に含まれる宿主由来タンパク質に与える影響を検討するため,細菌・ウイルス・真菌が存在しない無菌(germ free:GF)マウスとSPF(specific pathogen-free)マウスの盲腸内容液を,プロテオーム解析で網羅的に解析(図1)し検討を重ねた.その結果,GFマウスの盲腸以遠にはトリプシンが活性状態で豊富に存在することが判明した.
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