Japanese
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TOPICS 生化学・分子生物学
B型肝炎ウイルス感染受容体NTCPの構造
Structure of the hepatitis B virus entry receptor NTCP
野村 紀通
1
Norimichi NOMURA
1
1京都大学大学院医学研究科分子細胞情報学(医化学第二)
pp.1082-1083
発行日 2023年6月17日
Published Date 2023/6/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu285121082
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全世界でB型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)キャリアは約2.9億人,HBV感染を原因とした肝硬変・肝細胞がんの発症による死亡数は年間90万人と推定されている.死亡数は依然として増加傾向であり,2021年WHO勧告の「肝炎ウイルス撲滅に向けた目標設定」にもみられるように,母子感染・水平感染の抑制が公衆衛生上の急務の課題である.病原体としての発見から半世紀以上もたっているにもかかわらず,HBVがどのように宿主細胞に侵入するのかについての理解はいまだ十分ではない.こうした背景のなか,HBV感染初期過程の分子機構を解明するうえで鍵となる分子,宿主受容体NTCPの精密立体構造が最近明らかになった1-4).
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