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特集 HFpEF(左室駆出率が保たれた心不全)の病態と治療
HFpEFにおけるレニン-アンジオテンシン系阻害薬の役割
Role of renin-angiotensin system inhibitors in HFpEF
彦惣 俊吾
1
Shungo HIKOSO
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
,
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
,
ミネラルコルチコイド受容体(MRA)
,
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)
,
層別化
Keyword:
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
,
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
,
ミネラルコルチコイド受容体(MRA)
,
アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)
,
層別化
pp.1055-1061
発行日 2023年6月17日
Published Date 2023/6/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu285121055
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レニン-アンジオテンシン系は,心筋肥大や心筋線維化を介して拡張機能障害に関与することから,その阻害薬はHFpEF(左室駆出率が保たれた心不全)に有効であることが期待される.しかし,これまでに行われた大規模臨床試験ではアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB),ミネラルコルチコイド受容体(MRA)拮抗薬,アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)のHFpEFにおける有効性は証明されていない.これはHFpEFの多様性によるところが大きいと考えられ,適切な患者選択が必要である.これまでに女性,フレイルの合併などがレニン-アンジオテンシン系阻害薬の有効性と関連していることが示唆されており,さらには機械学習による患者層別化とこれらの薬剤の有効性との関連も検討されているが,エビデンスとして確立されたものはなく,今後のさらなる検討が必要である.
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