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第1土曜特集 抗体医薬の進歩と課題
有効性・安全性の予測・評価技術
Phosphor integrated dots(PID)技術を用いた抗体医薬の腫瘍組織内ミクロ薬物動態解析の開発
Development of micro-pharmacokinetic analysis of antibody drugs in tumor tissue using Phosphor integrated dots(PID) techniques
濱田 哲暢
1
Akinobu HAMADA
1
1国立がん研究センター研究所分子薬理研究分野
キーワード:
抗体薬物複合体(ADC)
,
薬物動態(PK)
,
マクロPK
,
ミクロPK
,
がん微小環境
Keyword:
抗体薬物複合体(ADC)
,
薬物動態(PK)
,
マクロPK
,
ミクロPK
,
がん微小環境
pp.918-925
発行日 2023年6月3日
Published Date 2023/6/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28510918
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医薬品薬物動態(PK)解析として血中薬物濃度がマクロPKとして測定され,腫瘍組織の一部をホモジネート後に薬物を抽出し定量分析が行われる.しかし,組織内濃度はかならずしも血中薬物濃度とは相関せず,がん微小環境の不均一性に起因する薬剤分布の評価は,薬剤感受性ならびに耐性機序解明に有用である.筆者らは,高輝度蛍光ナノ粒子(PID)を用いた蛍光イメージング法により,抗体薬物複合体(ADC)が腫瘍組織内に不均一に分布し,抗原を発現する標的腫瘍細胞にてADCからペイロード薬剤が選択的に放出され,隣接する腫瘍細胞へ拡散するbystander効果の可視化を確認している.今後は,組織内薬物動態を明らかにするミクロPK解析を発展させ,組織切片の二次元の薬物分布から,三次元で腫瘍組織全体を評価するなど,新たな技術開発が求められる.
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