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第1土曜特集 抗体医薬の進歩と課題
はじめに
Introduction
石井 明子
1
,
津本 浩平
2
Akiko ISHII-WATABE
1
,
Kouhei TSUMOTO
2
1国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部
2東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻
pp.845-845
発行日 2023年6月3日
Published Date 2023/6/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28510845
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- Abstract 文献概要
世界ではすでに100品目を超える抗体医薬品が承認され,日本での承認品目も90を超えている.適応となる疾患領域はがんや自己免疫疾患にとどまらず,喘息,アトピー性皮膚炎,骨粗鬆症,感染症,眼疾患,神経系疾患などにも広がり,今後さらなる発展が期待される.近年の抗体医薬品開発の特徴として,IgG抗体のみならず抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC),二重特異性抗体の他,scFv(single chain Fv)やVHH(variable domain of heavy chain of heavy chain antibody)などの低分子抗体のように,構造の多様性が広がっていることがあげられる.一方,最近の医薬品の開発動向全体を見渡すと,オリゴ核酸,メッセンジャーRNA(mRNA),中分子ペプチド,遺伝子治療用製品,細胞加工製品と,モダリティの多様化が著しく,これからは低分子と抗体の二者択一ではなく,意図したmode of actionに合わせてモダリティを選択し,医薬品や再生医療等製品を開発する流れが見えてくる.
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