特集 高齢者における循環器診療
Overview
高齢者における薬物動態
志賀 剛
1
1東京慈恵会医科大学臨床薬理学
キーワード:
薬物動態
,
血中濃度
,
循環器薬
,
加齢
Keyword:
薬物動態
,
血中濃度
,
循環器薬
,
加齢
pp.863-867
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_863
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Summary
▪高齢者では経口薬の消化管からの吸収が遅く,最高血中濃度到達時間が延長する.
▪高齢者では筋肉量や体水分量が低下して,体脂肪率が増加するため,脂溶性薬物の分布容積が大きい.
▪高齢者では肝重量の減少,肝血流の低下,肝代謝酵素活性の低下から薬物の代謝能は低下する.
▪高齢者では血清クレアチニン値が正常範囲であっても若年者に比べると糸球体濾過率は低下している.
▪腎排泄率の高い(尿中未変化体排泄率50%以上)薬を使用する場合,高齢者では各人の腎機能に応じて,減量あるいは投与間隔を空ける必要がある.
▪digoxinや抗不整脈薬の血中濃度モニタリングが保険適用であり,日常診療で活用していただきたい.
© Nankodo Co., Ltd., 2020