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連載 救急で出会ったこんな症例――マイナーエマージェンシー対応のススメ・Vol.4
その発赤,壊死性筋膜炎では?
-――軽微な皮膚の発赤が生死を分ける!?
Is that redness necrotizing fasciitis?
――Minor skin redness can make the difference between life and death!
檜山 秀平
1
,
松村 福広
1,2
Shuhei HIYAMA
1
,
Tomohiro MATSUMURA
1,2
1自治医科大学整形外科学教室
2自治医科大学救急医学教室
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
壊死性軟部組織感染症
,
LRINECスコア
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
壊死性軟部組織感染症
,
LRINECスコア
pp.165-169
発行日 2023年4月8日
Published Date 2023/4/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28502165
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◎壊死性筋膜炎は浅層筋膜を細菌感染の主座として急速に壊死が拡大する進行性の急性壊死性疾患で,未治療であれば20~50%の死亡率となる致死率の高い軟部組織感染症である.Fisherの診断基準やLRINECスコアなどが診断に有用とはされているが,それだけで診断を確定し,完全に除外することはできない.初診時の所見で皮疹の程度が軽微にみえても,激しい痛み,病変の境界が不明瞭,圧痛が周囲の正常皮膚にまで及ぶ,水泡形成,皮膚壊死,バイタルサインの異常,疼痛範囲の拡大が速いなどの蜂窩織炎では説明できないような病状がある場合は壊死性筋膜炎を積極的に疑う必要がある.診断確定には筋膜生検が必要となり,壊死性筋膜炎と判断した場合は,早期の抗生剤投与と外科的デブリードマンを行い,病状によっては切断を要することも多いため,高次医療機関への搬送が必要となることが多い.
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