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連載 医療DX――進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識・Vol.14
診療情報の利活用と個人情報保護法
Utilization of medical information and the act on the protection of personal information
山本 隆一
1
Ryuichi YAMAMOTO
1
1一般財団法人医療情報システム開発センター
キーワード:
診療情報
,
個人情報保護法制
,
次世代医療基盤法
,
匿名加工情報
,
仮名加工情報
Keyword:
診療情報
,
個人情報保護法制
,
次世代医療基盤法
,
匿名加工情報
,
仮名加工情報
pp.159-164
発行日 2023年4月8日
Published Date 2023/4/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28502159
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◎2005年に個人情報保護法が全面施行された.医学・医療の分野では保護への偏り,個人情報を取得する主体によって制度が異なること,個人情報の定義が曖昧で匿名化を明確に定義することが困難であること,実効性のある悪用防止ができないこと,海外の法制度と異なり他国から十分な保護制度があると認められないこと,この5点が主な問題点とされてきた.医療の分野でも電子化が進み利活用が次第に加速化され,個人情報保護制度の問題点も顕在化してきた.2015年,2020年および2021年に3度の個人情報保護制度の改正が行われ,また個別法である次世代医療基盤法が2017年に制定された.3度の改正と個別法の制定によって当初指摘されていた問題点には一定の改善を見ているが,最後の改正はまだ全面的には施行されておらず,個別法も発展途上といえる.診療情報の公益的な二次利用に関しては注意が必要で,今後の制度変更にも関心を持たざるを得ない.
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