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特集 遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の必修知識――最新の研究成果を礎に,HBOC診療を次のステージへ
HBOCの新しい関連腫瘍
New related cancer types of HBOC
桃沢 幸秀
1
Yukihide MOMOZAWA
1
1理化学研究所生命医科学研究センター基盤技術開発研究チーム
キーワード:
遺伝的バリアント
,
病的バリアント
,
BRCA1/2
,
バイオバンク・ジャパン
Keyword:
遺伝的バリアント
,
病的バリアント
,
BRCA1/2
,
バイオバンク・ジャパン
pp.453-459
発行日 2023年2月11日
Published Date 2023/2/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28406453
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BRCA1・BRCA2遺伝子に関わるゲノム情報に基づいた個別化医療は,保険収載されたことにより急速に広がりつつある.そのなかで筆者らは,両遺伝子によりリスクが高まり,PARP阻害薬の治療効果が期待できる新たながん種を明らかにすることがさらなる個別化医療に重要であると考え,遺伝学的手法を用いて研究を行った.バイオバンク・ジャパンが保有する14がん種・約6.5万人,対照群3.8万人について,両遺伝子を理化学研究所が独自に開発したターゲットシークエンス法を用いて解析した.その結果,BRCA1は胆道がん,BRCA2は食道がん,両遺伝子で胃がんのリスクが上昇することが明らかとなった.また85歳までに発症する割合はそれぞれ10%,5%,20%程度であったため,今後,両遺伝子の病的バリアント保持者に対して,これらのがん種に対するサーベイランスの重要性およびPARP阻害薬による治療効果を示唆し,さらなる個別化医療につながることが期待される.
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