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第1土曜特集 肺高血圧症のすべて――病態研究と治療法の最前線
総論
肺高血圧症における遺伝学的知見とその臨床的意義
Genetic findings and clinical significance in pulmonary hypertension
桃井 瑞生
1
,
平出 貴裕
1
,
片岡 雅晴
1,2
Mizuki MOMOI
1
,
Takahiro HIRAIDE
1
,
Masaharu KATAOKA
1,2
1慶應義塾大学医学部循環器内科
2産業医科大学医学部第二内科
キーワード:
遺伝子診療
,
BMPR2
,
RNF213
,
EIF2AK4
,
個別化医療(precision medicine)
Keyword:
遺伝子診療
,
BMPR2
,
RNF213
,
EIF2AK4
,
個別化医療(precision medicine)
pp.343-348
発行日 2023年2月4日
Published Date 2023/2/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28405343
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肺高血圧症は予後不良な難治性疾患であり,いまだ根治治療法が明らかとなっていない.近年,遺伝学的検査の進歩に伴い肺動脈性肺高血圧症(PAH)の原因遺伝子が数多く報告されている.一方で,それら遺伝子診断の結果を臨床の現場でどのように活用するかが今後の大きな課題であると考えられている.PAHの最も頻度の高い原因遺伝子である2型骨形成タンパク受容体(BMPR2)遺伝子や,東アジア人特有のPAH発症関連遺伝子であるring finger protein 213(RNF213),さらには肺静脈閉塞症(PVOD)の原因遺伝子である真核細胞翻訳開始因子2αキナーゼ4(EIF2AK4)に関しては,病的バリアントを有することによる予後への影響が報告されている.本稿では,肺高血圧症における遺伝子診療のこれまでの変遷を振り返り,それぞれの遺伝子検査の結果が実臨床でどのような意義を持っているかを,最新の知見を交えて記載する.
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