特集 パラダイムシフトする翻訳制御研究
ウイルス感染応答時の翻訳制御と抗ウイルス自然免疫応答
尾野本 浩司
1
,
米山 光俊
1千葉大学真菌医学研究センター 感染免疫分野
キーワード:
ウイルスRNA
,
シグナルトランスダクション
,
遺伝子発現調節
,
ウイルス性疾患
,
ストレス
,
自然免疫
,
タンパク質生合成
,
タンパク質三次構造
,
RARRES3 Protein
Keyword:
Gene Expression Regulation
,
Immunity, Innate
,
RNA, Viral
,
Virus Diseases
,
Protein Biosynthesis
,
Signal Transduction
,
Protein Structure, Tertiary
,
RARRES3 Protein, Human
pp.772-777
発行日 2015年7月22日
Published Date 2015/7/22
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自然免疫は,病原体特有の構成成分を細胞内外の感染センサーが感知し,発動する.ウイルス感染時にはⅠ型IFNを中心とした様々なサイトカインが感染後数時間以内に産生され,抗ウイルス生体防御の第一の防御壁として機能している.一方,ウイルスは独自の増殖機構を進化させ,宿主の機構を乗っ取り,自身に有利な環境で複製・増殖を行っている.最近筆者らは,ウイルス感染などのストレスに応じて一過的に翻訳を制御しているストレス顆粒(SG)が,ウイルス感染センサーであるRLRを介した抗ウイルス応答に重要な役割を果たしていることを見いだした.そこで本稿では,RLRのウイルスRNA認識機構とウイルス感染時の翻訳制御機構について最新の知見を交えて解説する.
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