Japanese
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第1土曜特集 疾病予防・健康寿命延伸に資する栄養・食生活とは?
疾患発症予防に関わる栄養・食生活
がん
Cancer
岩崎 基
1
Motoki IWASAKI
1
1国立がん研究センターがん対策研究所疫学研究部
キーワード:
がん
,
食塩・塩蔵食品
,
野菜・果物
Keyword:
がん
,
食塩・塩蔵食品
,
野菜・果物
pp.17-23
発行日 2023年1月7日
Published Date 2023/1/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2840117
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食品・栄養素の摂取状況とがん罹患リスクとの関連に関して,国内外の疫学研究により多くのエビデンスが蓄積され,それらに基づく因果関係評価が進められてきた.国際的な評価報告書は,主に欧米諸国から発表されたエビデンスに基づくため,疾病構造と生活習慣の異なる日本人集団への外挿性を検討することが必要となる.そこで日本人のエビデンスに基づく評価がなされ,アルコール,肥満,高身長,食塩・塩蔵食品,熱い飲食物がリスク因子として,身体活動,野菜,果物,コーヒーが予防因子として “確実” あるいは “ほぼ確実” と判定されている.これらの評価に基づき食事に関して,①「塩蔵食品,食塩の摂取は最小限にする,②野菜や果物不足にならない,③飲食物を熱い状態でとらない,の3点が日本人のためのがん予防法として推奨されている.特に前者2つは,がんのみならず他の生活習慣病予防の観点からも重要である.一方,食品・栄養素の多くは “可能性あり” や “証拠不十分” に位置づけられており,さらなるエビデンスの蓄積が求められている.
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