連載 目標を設定した在宅リハビリテーション
がん
大森 まいこ
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
キーワード:
がん
,
在宅リハビリテーション
,
進行がん・末期がん
,
がんのリハビリテーションガイドライン
Keyword:
がん
,
在宅リハビリテーション
,
進行がん・末期がん
,
がんのリハビリテーションガイドライン
pp.1125-1128
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200802
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がん患者への在宅リハビリテーション
国立がん研究センターが公表した最新のがん5年生存率の全国推計値は,62.1%である(2006〜2008年集計)1).過去に比べて,5年生存率は集計の度に高くなっている.しかしそれは,ただ単にがん治療技術が進歩したということだけではなく,生存率の高いがん(例えば前立腺癌や乳癌など)の罹患率の増加や,がんの早期発見技術の向上などによるものもあるであろう.
いずれにしても,がんと診断されてその後生きて生活していく人の数が増えているということは確かである.また,外来でのがん治療や在宅での終末期医療を推進する政府の方針によって,在宅でがん治療を継続したり終末期を迎えたりするがん患者数も増加している.がんは疾患そのものや治療によって機能障害を生じうるため,在宅での日常生活に支障を来すことも多い.「在宅」という実際の生活場面で,日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL)に直接アプローチするリハビリテーションは,がん患者や家族にとって生きていく希望や安心となりうるものであり,在宅でのリハビリテーションの需要が増大している.
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