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第1土曜特集 疾病予防・健康寿命延伸に資する栄養・食生活とは?
疾患発症予防に関わる栄養・食生活
不健康な食事に伴う疾病負荷
-――世界の疾病負荷研究から
Disease burden associated with unhealthy diets
――Findings from the Global Burden of Disease Study
野村 周平
1
Shuhei NOMURA
1
1慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室,東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室,東京財団政策研究所
キーワード:
疾病負荷
,
DALYs(障害調整生存年)
,
不健康な食事
,
高塩分食
Keyword:
疾病負荷
,
DALYs(障害調整生存年)
,
不健康な食事
,
高塩分食
pp.12-16
発行日 2023年1月7日
Published Date 2023/1/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2840112
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疾患・傷害による健康損失を死亡のみならず,障害も考慮に入れて勘定する包括的な “疾病負荷” の分析は,保健政策の優先順位決定に重要な情報である.最新の世界の疾病負荷研究(GBD 2019)によると,多くの慢性疾患に寄与する不健康な食事は,喫煙や代謝リスクに並ぶ疾病負荷の主要な行動リスク因子であり,世界的に人の食生活を改善することの重要性を示している.特に高塩分食は最も疾病負荷に寄与する食事リスクであり,国全体で減塩を含む健康志向の食品の製造,流通,消費を促進する包括的な食糧システムの介入も必要である.さらに,主要な食事リスク因子の監視およびモニタリングシステムの確立も重要である.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックは世界的に蔓延する慢性疾患とのシンデミックであり,不健康な食事を含めた予防可能なリスク因子に対する対応は,人々の健康を向上させるだけでなく,パンデミックに対抗し,将来の健康危機への耐性を強化するカギにもなる.
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