Japanese
English
特集 自殺の現状と予防対策—COVID-19の影響も含めて
がんと自殺
Suicide and Suicide Prevention in Cancer Patients
原島 沙季
1,2
,
藤森 麻衣子
1
,
内富 庸介
1,3
Saki Harashima
1,2
,
Maiko Fujimori
1
,
Yosuke Uchitomi
1,3
1国立がん研究センター社会と健康研究センター行動科学研究部
2東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学
3国立がん研究センター中央病院支持療法開発センター
1Division of Behavioral Research, Behavioral Science and Survivorship Research Group, Center for Public Health Sciences, National Cancer Center Japan, Tokyo, Japan
2Department of Stress Sciences and Psychosomatic Medicine, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
3Innovation Center for Supportive, Palliative and Psychosocial Care, National Cancer Center Hospital
キーワード:
がん
,
cancer
,
自殺
,
suicide
,
希死念慮
,
suicidal ideation
,
自殺対策
,
suicide prevention
Keyword:
がん
,
cancer
,
自殺
,
suicide
,
希死念慮
,
suicidal ideation
,
自殺対策
,
suicide prevention
pp.1083-1090
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206406
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抄録 がん患者は自殺の危険性が高いことが国内外で報告されており,がん医療における自殺対策が急務となっている。全国がん登録制度の開始により,わが国のすべてのがん患者を対象とした自殺の実態調査が可能となった。初回の調査では,がん診断6か月以内のがん患者の自殺の危険性が一般人口と比較して有意に高く,特にがん診断1か月以内の自殺の危険性が最も高いことが明らかになった。また,がん医療における自殺対策を強化する目的で「がん医療における自殺対策の手引き(2019年度版)」を作成した。がん医療における自殺対策のエビデンスは乏しい状況であるが,わが国におけるがん患者の自殺の危険因子などを今後の実態調査でさらに明らかにし,その知見に基づきがん医療における自殺対策を推進していく必要がある。
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