Japanese
English
特集 リソソーム研究の新展開
Ⅲ.リソソームと疾患
リソソームとがん浸潤
Lysosomes and cancer invasion
南 ジンミン
1
,
吳 秉修
2
,
小野寺 康仁
3
Nam Jin-Min
1
,
Wu Ping-Hsiu
2
,
Onodera Yasuhito
3
1京都大学大学院生命科学研究科附属放射線生物研究センター
2台湾台北医学大学病院放射線治療科
3北海道大学大学院医学研究院医理工学グローバルセンター
キーワード:
がん
,
浸潤
,
リソソーム
,
輸送
,
プロテアーゼ
Keyword:
がん
,
浸潤
,
リソソーム
,
輸送
,
プロテアーゼ
pp.251-255
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201512
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がんは日本人の死因の第1位となっており,治療技術の進歩により生存率は改善してきたが,浸潤・転移を伴う場合は根治に至らないケースも少なくない。がん細胞の浸潤は,転移の引き金にもなるため,がん患者の予後を決定する要因の一つと考えられている。がん浸潤には,浸潤突起の形成およびプロテアーゼなどによる細胞外マトリックスの分解と細胞外微小環境のリモデリングが密接に関係している。
近年,がん研究において,様々なプロテアーゼを豊富に包含するリソソームに注目が集まってきている。本稿では,“がん細胞の浸潤と治療への抵抗性”におけるリソソームの役割とその分子メカニズムに関する最新の知見を紹介し,将来の展望について概説する。
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