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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
大きく変貌する循環器疾患の診療と研究
ビッグテックは循環器診療をどう変えるか?
How will big tech change cardiovascular practice?
木村 雄弘
1
Takehiro KIMURA
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
キーワード:
ビッグテック
,
HealthTech(ヘルステック)
,
ヘルスケア
Keyword:
ビッグテック
,
HealthTech(ヘルステック)
,
ヘルスケア
pp.1394-1399
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141394
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医療はテクノロジーとの融合で,さらに効果的に健康を提供できる.テック企業が持つ最新のテクノロジーの活用より,幅広い視点で医療をサポートする,いわゆる “HealthTech(ヘルステック)” の威力である.ビッグテックといわれる世界的巨大企業のサービスはすでに人々の生活に浸透しているため,その影響力は計り知れない.新型コロナウイルスによる社会的変化を世界が経験したことで,オンライン技術や遠隔技術の社会への浸透が加速した.今後,テクノロジーは進歩し続け,さまざまな分野が融合しサービスを拡大し続けていくであろう.しかし,どんなにデータドリブンなサービスが拡充しても,医療データとヘルスケアデータの違いには常に意識する必要がある.また,いかに情報通信技術(ICT)的にデータ連携が容易になろうとも,個人情報の扱いは時代とともに変化し,その対応はさらに慎重を要することになる.日本は国民皆保険とはいえ,そのパッシブな恩恵をかならずしも受けられるとは限らない.自分の健康の変化に気づきを与え,アクティブに専門的な医療へたどり着くのをサポートするのがヘルステックである.テクノロジーに裏打ちされた医療デジタルトランスフォーメーション(DX)が社会に浸透し,ユーザーと医療従事者が共通の認識で活用することで,人々のウェルネスに貢献することを期待する.
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